この「調理場という戦場」という本は、前に紹介した「海馬/脳は眠らない」の「ほぼ日ブックス」の一つで、Amazonで一緒に紹介されており、ずっと気になっていた。
こないだやっと買って一気に読んでみた。というか一気に本に読まされたというか。
本の作者はフランス料理のシェフで、フランスでの修行時代に試行錯誤しながら学んだワーク・スタイルを記述している。
しかし、このワークスタイルというのは、調理場だけではなく全ての仕事(そして生活)における原点に共通しているような感覚に襲われる。でも多分そうなんだろうなあ。
仕事をしていて、嫌になったり、恐れたり、飽きたりという時期が必ずくるものだと思う。いつまでも楽しい!なんてことはありえないと思うし。でも、そうしたときにそれを乗り越える何かが心にあるかというと、うっすらとしたものがあるだけで、うまく形にはなっていなかった。
しかし、この本を読んで何をしなければならないか?というか、仕事に対して自分はどうあるべきか?というのが少し分かった気がする。そしてそれを知るためにこれから試行錯誤していく勇気を得ることができたなあと思う。
とにかく、素直に「いい本だなあ~」と思った。淡々と経験を書きつつもそこには口先ではない、非常に深みをもった哲学が滲み出しています。
作者の斉須さんの料理もこうした試行錯誤の上に成り立った、戦場で作られている料理なのだと思うと、一度食べてみたいな~と思う。でも高そうだ。(笑)
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